2013年6月18日火曜日

外注又は給与か?

外注費にするか給与にするかで、法人税の利益は影響がないですが、消費税し仕入税額控除で影響が生じます。その判断となる消費税の通達が以下です。

(個人事業者と給与所得者の区分)

1-1-1 事業者とは自己の計算において独立して事業を行う者をいうから、個人が雇用契約又はこれに準ずる契約に基づき他の者に従属し、かつ、当該他の者の計算により行われる事業に役務を提供する場合は、事業に該当しないのであるから留意する。したがって、出来高払の給与を対価とする役務の提供は事業に該当せず、また、請負による報酬を対価とする役務の提供は事業に該当するが、支払を受けた役務の提供の対価が出来高払の給与であるか請負による報酬であるかの区分については、雇用契約又はこれに準ずる契約に基づく対価であるかどうかによるのであるから留意する。この場合において、その区分が明らかでないときは、例えば、次の事項を総合勘案して判定するものとする。

(1) その契約に係る役務の提供の内容が他人の代替を容れるかどうか。

(2) 役務の提供に当たり事業者の指揮監督を受けるかどうか。

(3) まだ引渡しを了しない完成品が不可抗力のため滅失した場合等においても、当該個人が権利として既に提供した役務に係る報酬の請求をなすことができるかどうか。

(4) 役務の提供に係る材料又は用具等を供与されているかどうか。 

上記(1)は、外注でも給与でもどちらでも該当するケースが多いのではと・・・・・

上記(2)は、外注の場合でも指揮監督をある程度受けるケースがあると考えられます。給与は完全に指揮監督を受けます。

上記(3)は、いわゆる危険負担の事をいいます。外注では、危険負担を負いますが、給与は負わないです。

上記(4)は外注でも供与されるケースもあります。給与は自分で材料等を用意する事はないです。

上記の(1)から(4)の中で重要な要素は、(3)です。危険負担です。

しかしながら、総合的に判断ですから定規のような判断はしないです。



2013年6月15日土曜日

インターネットマーケティング

インターネットマーケティングは、インターネット上での商品やサービスのマーケティングであります。インターネットは数々のユニークな利点をマーケティングにもたらしました。

その1つは、情報の配布コストを低減したことと一般大衆を直接相手にできるメディアであります。インターネットマーケティングの相互作用性は、素早い応答と相手の反応を引き出すのが特徴で、メディアとしては相当な利点であります。

インターネットマーケティングは狭義にはインターネットや電子メールなどを利用したマーケティングですが、広義にはデジタル化された顧客データ管理システムや電子的な顧客関係管理システムも含みます。一般的には狭義の定義で認識されている事が多いです。

インターネットマーケティングはまた、顧客獲得の為に検索エンジン最適化 (SEO)、特定サイトでのバナー広告、電子メールマーケティングなどを意味します。

イメージ広告(デザイナーが綺麗で芸術性が高いと考えるもの)ですと、それは、単なる自己満足の世界です。広告すればそれが集客につながらなければ意味がないのです。


このインターネットマーケティングが出来る人材が少ないです。また、HP製作会社でさえもインターネットマーケティングを理解してHPを作るかというとそうではないので、注意が必要です。

SEO対策として、例えばHPやブログなどに特定の言葉を多く使いすぎますと、グーグルの検索エンジンがスパムと判断して、検索の上位に検索されないので注意が必要です。

よく見受けられるのが、会社の名前を検索して検索出来たと喜んでいる人です。よく考えて頂きたいのは、消費者は、会社名を検索しないのです。例えば、旅館を探しているとしたら、特定の旅館名ではなく、例えば、「長野県 旅館」や「東京都 旅館」、「旅館 検索サイト」、「旅館 評判」などのキーワードで検索をしています。

法人格否認の法理について、論文をブログにあげても良いとの許可がおりました。

法人格否認の法理

Ⅰ 法人格否認の法理の定義
 法人格とその背景にいる人を形式的に独立した存在としてとらえると、背後の人が法人を盾に法的責任や義務を不当に逃れてしまう場合に、法人格を否認し、法人と背後にいる人を同一視することにより、背後にいる人の責任を問うことができるという理論のことをいう。
 債務など法的責任を逃れる目的で新会社を設立するなど、法人格が濫用される場合や、法人として運営されている実態がなく、形骸化している場合には、原告の訴えによりこの法理が適用される事がある。注1

Ⅱ 法人格否認の法理の根拠
 法人格否認の法理の実定法上の根拠としては、ドイツ学説がこれをドイツ民法226条の権利濫用禁止に求めているのと同様に、我が国でも民法1条3項の権利濫用の禁止規定類推適用に求めるのが正当である。なお、このことにより法人格否認の法理を法人格の濫用の場合に限定するのが正しいという結論に導かれる。注2

Ⅲ 租税正義を実現する為に法人格否認の法理を適用しなくても律する事が出来るか

判例法上の認められた法人格否認の法理は、実体法で規定されていないことを考えると、立法府である国会を無視した判例で、租税法律主義で厳格に適用されるべき税法において、判例法を持ち出すことは、私法である民法や商法等について類推適用するならともかく、厳格に適用すべき税法において、適用すべきものではないと考えられる。そこで、実質所得者課税の原則や同族会社の行為又は計算の否認、民法の一般条項である権利乱用や信義則、第二次納税義務により、法律のあるもので適用することで、法人格否認の法理を使う必要はないと考えられる。

  • 実質課税所得者課税の原則
法人税法11条 資産又は事業から生ずる収益の法律上帰属すると見られる者が単なる名義人であって、その収益を享受せず、その者以外の法人がその収益を享受する場合には、その収益は、これを享受する法人に帰属するものとして、この法律を適用する。注3

  • 同族会社の行為又は計算の否認
法人税法132条 税務署長は、一定の法人に係る法人税につき更正又は決定をする場合において、その法人の行為又は計算で、これを容認した場合には法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるものがあるときは、その行為又は計算にかかわらず、税務署長の認めるところにより、その法人に係る法人税の課税標準若しくは欠損金額又は法人税の額を計算することができる。注4

  • 民法の一般条項である権利乱用や信義則
民法第1条
1項 私権は、公共の福祉に適合しなければならない。
2項  権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。
  • 権利の濫用は、これを許さない。注5

  • 第二次納税義務
第二次納税義務の制度とは、納税者が租税を滞納した場合において、その者の財産に対して、第二次納税義務を負わせることにより、その不足額につき納付義務を生ぜしめ、その者に対しても滞納処分の執行を可能ならしめる制度であり、国税徴収法第3章にその規定がある。注6

Ⅳ まとめ
税法において法人格否認の法理で事業再生の場面と言えば、第二会社方式や会社分割であると考えられる。第二会社方式や会社分割は、事業再生の場面において、弁護士である法律家が、事業再生法人の利害関係者との折衝にあたり、利害関係者の合意が得られれば、事業再生において、第二会社方式や会社分割という事業再生のスキームを使っても良いが、利害関係者の合意が得られなければ、税務署等が国税等の徴収をはかるときには、判例法である法人格否認の法理ではなく、上記Ⅲの実体法にもとづいた徴収を行うべきであって、法律で規定されていない法人格否認の法理は使うべきではないと考えられる。



参考文献
  • 元榮太一郎(2012)『法律用語辞典』三修社
  • 井上 和彦(1995)『法人格否認の法理』千倉書房
  • 武田 昌輔 『DHCコンメンタール法人税法』第一法規 
  • (2013)『六法全書』有斐閣

注書き
注1 元榮太一郎(2012)『法律用語辞典』三修社 870頁
注2 井上 和彦(1995)『法人格否認の法理』千倉書房 94頁
注3 武田 昌輔 『DHCコンメンタール法人税法』第一法規 951頁
注4 武田 昌輔 『DHCコンメンタール法人税法』第一法規 5531頁

注5 (2013)『六法全書』有斐閣 3256頁
注6 井上 和彦(1995)『法人格否認の法理』千倉書房 139頁



社会通念

税法の通達で社会通念という文言がよく規定されています。

社会通念を辞書で調べますと「社会一般に通用している常識または見解。法の解釈や裁判調停などにおいて、一つの判断基準として用いられる。」と書かれています。

「社会一般に通用している常識又は見解」という文言が気になるところだと考えられます。私の考えですと「社会一般に通用している常識又は見解」というものは絶対的な尺度で測れないということ、要するに相対的に考えるということです。

この相対的に考えるということが、やっかいなのです。ここから先は、ネット上では公開するのは難しいです。


2013年6月13日木曜日

日当

国内の出張又は転勤のために、役員又は使用人に対して支給した出張旅費、宿泊費、日当については、支給した金額のうちその旅行について通常必要であると認められる部分の金額は、課税仕入れになります。
(注)

「その旅行について通常必要であると認められる部分の金額」の範囲については、所基通9-3《非課税とされる旅費の範囲》の例により判定します。

したがって、社会通念上通常と必要と認められる部分を超える場合には、課税仕入れには該当しません。この社会通念が難しいところで、税理士が悩むところです。私は答えが出ますが・・・・ネットで公開は出来ないところです。

2013年6月12日水曜日

恩借

恩借とは、「人の情けに頼って、金品を借りる」という意味です。、顔見知りや友人・親戚などに金を借りるという事です。

会社の事業がよくないと、よくあるこの「恩借」・・・・・・否定はしないですが、返せる見込みがないのにもかかわらず、「恩借」をやることだけは避けて下さい。でも、これは理想論かもしれません。

目の前に借入の返済の期日、支払手形の支払期日はきたりして、会社に資金がないときに、「恩借」をしてしまう事もあるでしょう・・・・

会社経営をしていて、社員の生活を守る為、借入の保証人になって頂いた人を守る為に、資金を集める事もあるでしょう。

でも、その資金繰りの苦しみに対して、顧問税理士は、ただ、見ているだけの先生が多いかもしれません。

法人の赤字経営が慢性化し、黒字企業が少ない中、資金繰りの苦しみで、会社の休みの時も寝れない経営者が多いでしょう・・・・・

それに対して私が出来ることはあるのか・・・・・・それは、共に考えるという事です。

2013年6月11日火曜日

法人税基本通達の制定について

国税庁のHPより法人税基本通達の前文の部分は以下です。

「この法人税基本通達の制定に当たっては、従来の法人税に関する通達について全面的に検討を行ない、これを整備統合する一方、その内容面においては、通達の個々の規定が適正な企業会計慣行を尊重しつつ個別的事情に即した弾力的な課税処理を行なうための基準となるよう配意した。
 すなわち、第一に、従来の法人税通達の規定のうち法令の解釈上必要性が少ないと認められる留意的規定を積極的に削除し、また、適正な企業会計慣行が成熟していると認められる事項については、企業経理にゆだねることとして規定化を差し控えることとした。
  第二に、規定の内容についても、個々の事案に妥当する弾力的運用を期するため、一義的な規定の仕方ができないようなケースについては、「~のような」、「たとえば」等の表現によって具体的な事項や事例を例示するにとどめ、また、「相当部分」、「おおむね…%」等の表現を用い機械的平板的な処理にならないよう配意した。
 したがって、この通達の具体的な運用に当たっては、法令の規定の趣旨、制度の背景のみならず条理、社会通念をも勘案しつつ、個々の具体的事案に妥当する処理を図るように努められたしい。いやしくも、通達の規定中の部分的字句について形式的解釈に固執し、全体の趣旨から逸脱した運用を行ったり、通達中に例示がないとか通達に規定されていないとかの理由だけで法令の規定の趣旨や社会通念等に即しない解釈におちいったりすることのないように留意されたい。」

上記の太字の部分をお話ししたいと思います。通達を制定するにあたり、学識経験者や実務家などの意見を聞きながら、制定している旨は国税のOBであって税理士の先生から伺った事があります。したがって、通達で、社会通念上おかしいと考えられる旨は滅多にないと話されていました。

ある税理士の先生は上記太字の部分を強調して、通達に拘束されないと話されていた先生もいました。

私は、通達をどのように考えているかといいますと、課税サイドが、通達で税法を解釈している事を考えると、通達は学問的には法律ではないけれども、通達は法律の一部だと考えています。しかし、上記、太字で書かれている部分について、通達に例示がなかったり、通達に書かれていない事があるときは、税法全体の趣旨を踏まえたうえで、税理士自身の責任で、税法の諸原理を踏まえながら、解釈する事が必要なのかなと考えています。


2013年6月9日日曜日

中小企業者等の少額減価償却資産損金算入の特例と固定資産税の関係

中小企業者等が、取得価額が30万円未満である減価償却資産を平成15年4月1日から平成26年3月31日までの間に取得などして事業の用に供した場合には、一定の要件のもとに、その取得価額に相当する金額を損金の額に算入することができます。

この場合に、法人税の世界では経費で落とせたとしても固定資産税の世界では、固定資産税台帳にのせる必要があります。

取得価格が20万円以上で30万円未満でしたら、固定資産税台帳にのせる必要があるので何ら有利選択はないのですが、取得価格が20万円未満の場合は、有利選択の場面が生じます。題名の少額減価償却資産の特例を使うと、利益を圧縮させ法人税を抑えることは出来ますが、逆に固定資産税台帳にのせないといけないので、毎年、固定資産税がかかります。

その固定資産税のランニングコストを避けるには、取得価格が20万円未満の償却資産を一括償却資産とすることで固定資産税台帳にのせないことが出来ます。

したがって、固定資産税の負担を考えて、少額減価償却資産の特例を適用する必要があります。

2013年6月8日土曜日

消費税は課税なのか?通勤手当について

消費税の基本通達11-2-2が通勤手当の通達です。通達は、国税庁が税法の解釈の拠り所としているもので、税務署の職員を拘束しますが、税理士は、この通達に拘束はされないです。しかしながら、課税庁がこの通達で動いている以上、この通達に反する判断を税理士がした場合には、当然、税務署調査の際には、調査官は、以下のような通達や判決を持ち出してきます。

(通勤手当)

11-2-2 事業者が使用人等で通勤者である者に支給する通勤手当(定期券等の支給など現物による支給を含む。)のうち、当該通勤者がその通勤に必要な交通機関の利用又は交通用具の使用のために支出する費用に充てるものとした場合に、その通勤に通常必要であると認められる部分の金額は、課税仕入れに係る支払対価に該当するものとして取り扱う。

ところで、話をもとに戻しますが、上記通達を読むと、通勤手当で電車やバスなどの交通機関は課税仕入れになり、交通用具の使用についても課税仕入れとなります。これは、自動車や自転車、バイクが考えられます。

では、徒歩の場合についてですが、上記通達の「その通勤に必要な交通機関の利用又は交通用具の使用のために支出する費用」に該当しない為、課税仕入れとはならないのです。

2013年6月7日金曜日

過少資本税制

海外との関連企業間において、資本金とすべきところを、借入金とすることで、支払利息を計上して経費として扱い、資本金にすると配当金として経費にならない為に、あえて、資本を過少にして借入金を過大にして、租税回避を行う事を規制するのが過少資本税制です。

詳しいことを財務省のHPより、http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/international/180.htm

2013年6月5日水曜日

マイナスのリスクに対して保険に頼らない

保険屋さんは、保険に入れさせたくて、マイナスのリスクを強調して、保険の加入をすすめています。でも、リスクはコントロールが可能なものと可能ではないものがあります。例えば、天変地異はコントロールが不可能です。

これに対して、会社経営をしていると、借金がどうしてもあるので、経営者に万が一の事があった場合にはというリスクを強調して、経営者に対して死亡保険を入れさせる保険会社もあります。

これに対して全否定はしないですが、後者のリスクはコントロールが可能なものです。例えば、後継者を育成すれば、リスクを回避出来、リスクのコントロールが出来ます。

借金を苦にして死亡保険を得るために自殺を選択する経営者も少なからずいるはずです。ですから、会社が苦しんでいるならば、逆に、自殺を予防するためにも、保険を解約すべきです。

経営者が自殺をしてその保険金で、借金がなくなったとしても、経営者の家族は誰も喜びません。

会計事務所が保険の代理店をやってるケースがあると考えられます。経営が苦しいときは、必ず保険を解約させないといけないです。

2013年6月2日日曜日

電子申告特別控除の廃止

平成24年分所得税で、電子申告特別控除は廃止されました。電子申告と住基カードの推進をするための政策的な制度でした。

2013年6月1日土曜日

雇用促進税制


事業年度中に雇用者(雇用保険一般被保険者)数を5人以上(中小企業は2人以上)かつ10%以上増加させるなど一定の要件を満たした法人に対する税制優遇制度が拡充されました。

雇用者の増加1人当たりの税額控除額が20万円から40万円になりました。(平成25年4月1日以降に事業年度が始まる法人)

適用を受けるためには、「雇用促進計画」を、ハローワークに事業年度開始後に提出します。事業年度終了後にハローワークで確認を受けます。

上昇傾向の法人にとっては良い税制でしょう。ただ、会社都合による離職者がいないことが条件ですので、経営者が、気に入らない従業員を解雇するという考え方の会社では適用がないということです。これは、厚生労働省の助成金関係でも同様です。

2013年5月30日木曜日

タインズ

タインズhttp://www.zeirishi.gr.jp/index.html という判決や税法などを検索できるデーターベースに入会し、先週に公益財団法人 租税資料館で論文を書きました法人格否認の法理について、検索していました。論文は、公益財団法人 日本税務研究センターの通信ゼミという論文形式の研修で、税理士の研修単位として認めてくれます。

その検索で、気が付いたことは、判決で法人格否認の法理を税法の場面で使用することが、平成18年10月31日の松山地裁を最後に、判決として、使われなくなっているということです。これは、おそらく、私の論文でも指摘した事ですが、法人格否認の法理は、判例法で、法令で明文化されておらず、税法の基本原則である租税法律主義に反する恐れがあるため、法人格否認の法理が使用されなくなったと考えられます。

私が書いた論文はこのブログにのせられないので、ここまでに致します。

2013年5月29日水曜日

消費税の改正と経過措置

消費税の改正と経過措置については、とても、ブログでかける内容ではなく、経理担当者であれば、消費税の改正についての本を一冊読む事をお勧めします。リース契約、賃貸借契約、工事の請負などなど、盛りだくさんの経過措置です。

税務署や税理士事務所でもおそらく、答えに窮する場面も出てくる可能性が高いです。消費税の経過措置を説明するだけでも2時間以上はかかります。

2013年5月28日火曜日

税務調査手続の明確化

  • 税務調査手続について、以下のとおり、現行の運用上の取扱いが法令上明確化されました。
    • まる1 税務調査に先立ち、課税庁が原則として事前通知を行うこととされました。ただし、課税の公平確保の観点から、一定の場合には事前通知を行わないこととされました。(これは、結局、今までと同じです)
    • まる2 課税庁の説明責任を強化する観点から、調査終了時の手続が整備されました。(これも、税務署の職員は運営上やっておりました。今までと同じ)
    • まる3 納税者から提出された物件の預かりの手続のほか、課税庁が帳簿書類その他の物件の「提示」「提出」を求めることができることが法令上明確化されました。(これも、法令上明確化はされていませんでしたが、ただそれだけのことで、今までと同じです)
  • 結局、運営でやっていたものが法令化されただけです。他の国税通則法の改正は、過去に投稿しています。

2013年5月26日日曜日

過年度遡及会計基準


過年度遡及会計基準においては、過去の誤謬の訂正に関して、いわゆる遡及処理をすべきことが要請されています。

過年度遡及会計基準の導入に伴い、陳腐化償却を廃止するものとされ、これは、「法人税法施行令の一部を改正する政令( 平成2 3 年6 月2 3 日政令1 9 6 号) 」によって、廃止されました。

過年度遡及会計基準は国際会計基準の流れで、このような改正が行われているという事です。


2013年5月25日土曜日

中小企業投資促進税制

中小企業投資促進税制は、中小企業者などが平成10年6月1日から平成26年3月31日までの期間内に新品の機械及び装置などを取得し又は製作して国内にある製造業、建設業などの指定事業の用に供した場合に、その指定事業の用に供した日を含む事業年度において、特別償却又は税額控除を認めるものです(国税庁のHPより)

ここで注意しなければいけないのは医者などの医療関係の機械装置等は適用がないという事です。詳しくは、「中小企業者等が取得をした医療機器の中小企業投資促進税制(租税特別措置法第42条の6)の適用について」http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/hojin/27/06.htm です。これは、個人的には医療機器が適用除外になるのはおかしいと考えていますが、国税庁でこのように出している以上、必ず税務署で止まります。裁判しないと結論が出ない問題でしょう。


2013年5月24日金曜日

相続税の基礎控除の改正


相続税の基礎控除が改正され、平成27年1月1日以後の相続から適用になります。以下になります。
 
現行:5000万円+1000万円×法定相続人の数

改正後:3000万円+600万円×法定相続人の数

地価の高い東京の都心部が狙い撃ちになるような改正ですが、一方で小規模宅地の課税の特例の改正もありますので、バランスを取っている改正だと考えられます。

ただ、少々、やりすぎかなという印象です。相続税に強い税理士にとっては、嬉しい改正でしょう。

2013年5月21日火曜日

給与所得控除の改正


給与等の収入金額が 1,500 万円を超える場合の給与所得控除額については、245 万円の定額となりました。この改正は、平成 25 年分以後の所得税について適用されます。

今までは、1500万円以上でも給与所得控除はありましたが、25年度からは245万円しか給与所得控除がないですという改正です。


2013年5月20日月曜日

特定支出控除


サラリーマンがが次の1から5の支出をした場合、その年中の次の支出の額の合計額が給与所得控除額を超えるときは、確定申告によりその超える金額を給与所得控除後の金額から差し引くことができる制度があります。(ただし、この制度を利用しているサラリーマンは全国で数名との事です)

これを給与所得者の特定支出控除といいます。

この特定支出とは、次に掲げるものです。

1 一般の通勤者として通常必要であると認められる通勤のための支出

2 転勤に伴う転居のために通常必要であると認められる支出

3 職務に直接必要な技術や知識を得ることを目的として研修を受けるための支出

4 職務に直接必要な資格(一定の資格を除きます。)を取得するための支出

5 単身赴任などの場合で、その者の勤務地又は居所と自宅の間の旅行のために通常必要な支出

 なお、これらの五つの特定支出は、いずれも給与の支払者が証明したものに限られます。


平成25年分以後は、特定支出の範囲に次の支出が改正により追加されました。

(1) 職務の遂行に直接必要なものとして給与等の支払者により証明がされた、弁護士、公認会計士、税理士などの資格取得費
(2) 次に掲げる支出(その支出の額の合計額が65万円を超える場合には、65万円までの支出に限ります)で、その支出がその者の職務の遂行に直接必要なものとして給与等の支払者より証明がされたもの
イ 書籍、定期刊行物その他の図書で職務に関連するもの及び制服、事務服、作業服その他の勤務場所において着用することが必要とされる衣服を購入するために費用
ロ 交際費、接待費その他の費用で、給与等の支払者の得意先、仕入先その他職務上関係のある者に対する接待、供応、贈答その他これらに類する行為のための支出

でも、上記(2)は本来会社が負担すべきものだと考えられますが・・・・・・大きなものは上記(1)でしょうが、これも独立系以外の資格でしたら会社が負担する事が多いですね。

弁護士や公認会計士、税理士あたりの資格取得費を目指して、特定支出にする事は非常にニーズが限られていますね。

2013年5月19日日曜日

平成26年1月から記帳・帳簿等の保存制度の対象者が拡大されます。(白色申告の方です)


「事業所得等を有する白色申告の方に対する現行の記帳・帳簿等の保存制度について、平成26年1月から対象となる方が拡大されます。

※ 現行の記帳・帳簿等の保存制度の対象者は、白色申告の方のうち前々年分あるいは前年分の事業所得等の金額の合計額が300万円を超える方です。

対象となる方
 事業所得、不動産所得又は山林所得を生ずべき業務を行う全ての方です。
 ※ 所得税の申告の必要がない方も、記帳・帳簿等の保存制度の対象となります。

記帳する内容
 売上げなどの収入金額、仕入れや経費に関する事項について、取引の年月日、売上先・仕入先その他の相手方の名称、金額、日々の売上げ・仕入れ・経費の金額等を帳簿に記載します。
 記帳に当たっては、一つ一つの取引ごとではなく日々の合計金額をまとめて記載するなど、簡易な方法で記載してもよいことになっています。」

上記は国税庁からの転記です。


要するに白色申告をやられている方も最低限出納帳で記帳し、書類も保存するようにとの改正です。なぜ、改正されたかと言いますと、個人の白色申告の方に対する更正等に係る理由附記が実施されるからです。簡単に言えば、税務署がこの申請等は嫌だよと納税者に言った場合、理由を書面で記載するということです。

何となく、課税の強化のためという目的が見え隠れしているような気がします。でも、悪い改正ではないですが、白色申告をやっていた方にとっては、税理士事務所に駆け込む場合もあるかもしれないですね。

2013年5月18日土曜日

更正の請求期間

平成23年12月2日以後に法定申告期限が到来する国税について、更正の請求ができる期間が法定申告期限から原則として5年に延長されました。

ただ、平成23年12月2日より前に法定申告期限が到来する国税については、更正の請求の請求期限は従来どおり法定申告期限から1年となります。

上記の改正により、改正前は法的根拠の無い「嘆願書」というもので、税務署の裁量になっていたものが、今後は、嘆願書が必要なくなるということです。

2013年5月17日金曜日

事業承継(中小企業白書より)

<後継者難への対応>
・47都道府県の認定支援機関(産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法に基づき認定を受けた商工
会議所等の支援機関。)に、事業引継ぎ等に関する情報提供・助言等を行う「事業引継ぎ相談窓口」を設置した。
・さらに、事業引継ぎに関する専門家が、事業引継ぎを希望する企業間のマッチング支援等を行う「事業引継ぎ支援
センター」を全国7か所に設置し、今後も全国的に拡充していく方針。
<相続税・贈与税負担への対応>
事業承継税制の拡充
・雇用8割維持要件を緩和し、「雇用の8割以上を5年間毎年維持」から、「雇用の8割以上を5年間平均で評価」とする。
・民事再生、会社更正、中小企業再生支援協議会での事業再生の際には、納税猶予額を再計算し、一部免除する。
・贈与時の役員退任要件を代表者退任要件とし、先代経営者は有給役員として残留可能とする。
<個人保証への対応>
「中小企業における個人保証等の在り方研究会」を開催し、中小企業における個人保証等の課題全般を、個人保証の
契約時における課題(個人保証の活用実態や保証・担保に依存しない新しい融資慣行や方法等)と、個人保証の契
約後における課題(再生局面等における個人保証の在り方等)の両局面において整理するとともに、解決に向けた
具体的な方策を検討している。
<親族以外の後継者への自社株式の引継ぎに向けた対応>
(1)事業承継税制の拡充
後継者は、先代経営者の親族に限定されているが、親族外承継を対象化する。
(2)事業承継融資による支援
事業承継に伴う多額の資金ニーズ(自社株式や事業用資産の買取り資金等)等が生じている場合に、経済産業大臣
の認定を受けることで、株式会社日本政策金融公庫等による代表者個人に対する貸付を利用することができる。

2013年5月14日火曜日

管理会計

不景気なると会計の本が売れるようになるとある教授が話していた事を覚えています。景気が良いとお金の管理に経営者はあまり気にしませんが、不景気になると会計、特に管理会計やキャッシュフローに興味を持つようになります。当然の事です。

管理会計は、制度会計のデーター入力がベースになっていますので、最初の設定で、変動費と固定費の設定を間違えなければスムーズに制度会計のデーターを管理会計用に使えます。

あまり、変動費や固定費の区別にこだわりすぎますと、準固定費とかまで使わないといけなくなり、会計処理上、時間がかかりますので、管理会計のデーターは多少の誤差はやむなしとした方が良いです。厳密にやりすぎますと、経営の意思決定に時間がかかるというデメリットが生じます。

2013年5月13日月曜日

誰の為に会計をやるのですか?

会計は誰のためのものか?この問いに、色々な答えがあると思います。税務署の為?銀行の為?利害関係者の為?などなど、色々な答えがあります。全て正解ですが、会計は誰の為に一番使うのかというと、答えは、会社の為です。

会計で出力された数値は、会社の経営判断に役立てるものであり、制度会計での処理を管理会計と連動させる事が一番の目的です。

会社の経営は感で分かる、通帳見れば分かる、という経営者もいますが、それはそれです。

「会計は会社の為のものです。」この認識があれば、領収書を山のようにする事もないでしょうし、年に1回会計事務所に頼むこともないでしょう。

2013年5月12日日曜日

法人税の税率改正


普通法人の法人税の税率改正は、改正前( 平24.4.1前開始事業年度)は年800万円以下の部分は18%で年800万円超の部分は30%です。

改正後(平24.4.1から平27.3.31までの間に開始する事業年度)は、年800万円以下の部分は15%で、年800万円超の部分は25.5%です。

中小法人以外の法人は改正前が30%で、改正後が25.5%です。 

このような税率の改正が国際的な税率に近づけるという意味もあり景気刺激策もあると考えられますが、赤字法人が7・8割の中、このような改正をしても経済政策としての効果は殆どないと考えて良いと思います。

2013年5月11日土曜日

交際費の5,000円基準で必要な書類の保存要件


交際費等の範囲から「1人当たり 5,000円以下の飲食費」を除外する要件としては、次に掲げる事項を記載した書類を保存していることが必要です。この書類の作成をめんどくさがり作成しないと、この適用が受けられないので注意して下さい。

・ その飲食等のあった年月日
・ その飲食等に参加した得意先、仕入先その他事業に関係のある者等の氏名又は名称及びその関係
・その飲食等に参加した者の数
・その費用の金額並びにその飲食店、料理店等の名称及びその所在地
・ その他参考となるべき事項

理想的なのは交際費規定をキチンと作成をするという事と上記要件を記載したエクセル表のようなもので管理するという事だと考えられます。マメな経営者ですと、上記の内容をキチンと手帳に書いている場合もあります。その手帳が、上記の書類に該当するかといえば、書類には該当しないと考えたほうが自然でしょうか・・・・・

利益

事業再生において一番重要なことは、過去の記事で書きましたリストラではないです。利益の伴う売上が一番必要なのです。利益の伴う売上がなければ、潔く、その事業から撤退するか、業種転換をするべきです。

長い時間をかけて、愛着を持った事業の撤退は、経営者にとっても従業員にとっても考える事があると思います。もし、会社を守り従業員の雇用を守るならば、衰退期に入っている事業を撤退し新たな事業へと向かうのが理想です。

でも、そこで、よく考えて頂きたいのは業種転換と言っても、今まで何らかのサービスの提供をし、物を売ってきたわけですから、ただ、その取り扱う商品が変わるだけです。

ただ、重要な事は、業種転換をする際には、必ず優秀な人材の確保と育成が重要です。これがなければ失敗します。

キーワードは「営業というものは同じでただ、商品が変わるだけです。」

2013年5月10日金曜日

コア事業とは?

世の中の価値観は常に動いていて、それに伴うように会社も動かないと、会社は業績不振になります。

事業のサイクルは導入期、成長期、成熟期、衰退期へと推移し、衰退期になった時に事業再生を行う必要があります。

しかし、世の中の価値観は変化するので、その会社のコアとなる事業が毀損しているケースが多いです。この場合には、事業再生の基本であるコア事業へと回帰し資源を集中させる方法が出来ないという事です。

そこで、経営者の豊かな経営センスで、業種転換を行うことが出来れば理想的です。ただ、事業再生が必要な会社は、コア事業の毀損により、資金繰りがきつく、業種転換が出来ないケースが多いです。

業種転換が成功したケースを見てはいますが、コア事業に関連している業種転換したケースが成功しているように思われます。

全く違う事業で成功したケースも見てはいますが、その場合は経営者が相当優秀なケースです。