2013年6月30日日曜日

生計を一にするの意味

2-47 法に規定する「生計を一にする」とは、必ずしも同一の家屋に起居していることをいうものではないから、次のような場合には、それぞれ次による。
(1) 勤務、修学、療養等の都合上他の親族と日常の起居を共にしていない親族がいる場合であっても、次に掲げる場合に該当するときは、これらの親族は生計を一にするものとする。
 イ 当該他の親族と日常の起居を共にしていない親族が、勤務、修学等の余暇には当該他の親族のもとで起居を共にすることを常例としている場合
 ロ これらの親族間において、常に生活費、学資金、療養費等の送金が行われている場合
(2) 親族が同一の家屋に起居している場合には、明らかに互いに独立した生活を営んでいると認められる場合を除き、これらの親族は生計を一にするものとする。

「生計を一にするする」という文言で、重要な場面は扶養親族かの判定の時です。納税者と生計を一にしていないと扶養控除の対象にはなりません。その解釈をしている通達が、所得税基本通達2-47です。

上記通達を噛み砕くと、(1)イは、単身赴任者で週末に、家族のもとに変えるケースが考えられます。
(1)ロは、2-27の本文のところで、「それぞれ次による」という文言がありますから、ロは、イとロは別々に考えるので、ただ、週末等に家族のもとに帰らなくても、生活資金の送金があれば認められるという事です。海外での単身赴任ですと週末に家族のもとに帰るのは困難です。

(2)は、基本的に同居していれば、生計を一とするという解釈です。

2013年6月29日土曜日

本当の事を言うべきか・・・・・

税理士が経営者と話しているときに、会社の将来的な見通しを言うべきが悩むときがあります。経営者は、夢を追います。でも、その夢が実現不可能だと客観的に分かるときがあります。その時に税理士は本当の事を言うべきか悩むときがあるわけです。

下手をすると顧問契約解除になりますし、でも、そのまま、言わないでいると会社が傾く可能性もあります。私はどちらかというと、後者です。経営者に、私が考えている事をいいますが、あくまでも一意見として頭の片隅の置いといて欲しいという形で伝えます。

何故かと言いますと、経営判断をするのは経営者です。税理士ではありません。税理士は、判断材料となるものを提供するだけです。

2013年6月26日水曜日

不服申立手続等

不服申立ては、原則として、まず、処分の通知を受けた日の翌日から2か月以内にこれらの処分を行った税務署長等に対して「異議申立て」をします。そこで、異議申立てを受けた税務署長等は、その処分が正しかったか見直しをします。

異議申立てに対する税務署長等の決定があった後の処分に、不服があるときは、その通知を受けた日の翌日から1か月以内に国税不服審判所長に対して「審査請求」をすることができます。
審査請求では、国税不服審判所に手数料など納める必要はありません。

上記、国税不服審判所のHPより

2013年6月25日火曜日

修正申告の慫慂

修正申告を税務署の職員から慫慂(しょうよう)された場合は応じるべきかですが、経営者がその修正申告に納得しているならば、応じても構わないですが、経営者が修正申告の慫慂に悩んでいるようで、税理士に判断を経営者から求められ場合には、経営者が不服申し立てや審査請求や税務訴訟で争う気持ちが強いなら、修正申告には応じてはいけないと思います。

しかし、勝てる裁判かどうか判断に迷う場合には税務訴訟を専門にしている弁護士に相談すべきでしょう。

2013年6月23日日曜日

ワンルームマンションのカーテンの取替費用

1組として使用されるカーテンの取得価額が10万円未満である場合には、消耗品として損金の額に算入します。ただ、その10万円未満かどうかの判定は、1組として使用する部屋ごとに取得価額を判断していきます。理由としては、一部屋ごとにカーテンが必要であり、一部屋を単位とすることが相当であるからです。

2013年6月22日土曜日

租税資料館で論文執筆

本日は、公益財団法人 租税資料館http://www.sozeishiryokan.or.jp/ で論文執筆をしていました。テーマは弁護士や税理士などの士業が所属する弁護士会や税理士会での活動の過程で発生した経費が必要経費になるかどうかについてです。

最近、判決が出ているものですから、比較的、論文執筆に困らなかったです。簡単に言えば、税務署が、弁護士事務所に調査に入り、弁護士会と弁護士事務所は人格が違うから、弁護士会の活動で支出した経費は、弁護士事務所の経費にはならないよという事で争われた事件です。

地裁では、その必要経費が認められず、高裁でその必要経費が認められた判決です。

2013年6月21日金曜日

事業の器は経営者が決めるもの・・・・

個人の事業が良くなると、法人化しましょうと話をする税理士が多いかもしれないです。

法人化すれば税金は安くなる場合はありますが、社会保険は強制加入になりますので、社会保険を加味した租税公課の金額で判断を単純にする方法と、法人になれば、法人の登記は簡単ですが、事業承継がうまくいかなく法人を解散する場合もあり、かつ、法人の解散は簡単ではないので、法人にするならば、家族はもちろんの事、他人やM&Aも含めて事業承継出来る見込みも判断材料にする必要があります。

したがって、法人成りするのか個人でいくのかは、租税公課の多寡で単純に判断するのではなく、今後、経営者が、事業を長期的にどのように持って行くのかというビジョンをしっかりと持って、法人にするのか、個人経営のままでいくのかを判断された方が良いです。

2013年6月20日木曜日

過去の数字

税理士の仕事の一つに、会計データーを提供する仕事があります。でも、経営者にとっては、過去の数字であって、ただ、業績の確認と今後の改善に役立たせるまでにとどめる経営者が多いです。 

何故なら、経営者は過去ではなく将来を見て経営判断をして投資やマネジメントをしている訳であって、過去の数字は、一種の例えでいえば通信簿程度だと、考えている場合が多いです。

そこで、導入するものが予算ですが、これも、そんなに重要視しない経営者も多いのです。では、今何が求められているのか・・・・・・・・・・・・・・

税理士は会計や税務のプロであっても、経営のプロではありません。では、税理士に何が出来るかですが、それは、経営者と共に考えるという事です。

具体的なツールはあるのですがネット上の事ですのでここまでに致します。

貯蔵品の取扱い

パンフレット等の貯蔵品について、税務署等から貯蔵品ではと言われるケースがあります。これについては以下の法人税基本通達があります。

(消耗品費等)

「2-2-15 消耗品その他これに準ずる棚卸資産の取得に要した費用の額は、当該棚卸資産を消費した日の属する事業年度の損金の額に算入するのであるが、法人が事務用消耗品、作業用消耗品、包装材料、広告宣伝用印刷物、見本品その他これらに準ずる棚卸資産(各事業年度ごとにおおむね一定数量を取得し、かつ、経常的に消費するものに限る。)の取得に要した費用の額を継続してその取得をした日の属する事業年度の損金の額に算入している場合には、これを認める。(昭55年直法2-8「七」により追加)

(注) この取扱いにより損金の額に算入する金額が製品の製造等のために要する費用としての性質を有する場合には、当該金額は製造原価に算入するのであるから留意する。」

上記通達の文言に「事務用消耗品、作業用消耗品、包装材料、広告宣伝用印刷物、見本品その他これらに準ずる棚卸資産」とあります。これらを毎期、だいたい一定量の購入をして消費をしているならば、貯蔵品にしなくても良いですという通達です。

2013年6月19日水曜日

固定費カバー率

経費は、固定費と変動費に分ける事が出来ます。変動費は売り上げに対応する経費で、固定費は売上高に関係なく支出される経費をいいます。売上から変動費を引いたものが限界利益となります。ここまでは、経営者の皆様はご存じの事です。

ここからですが、固定費カバー率は分子に限界利益で分母に固定費、つまり、限界利益÷固定費×100=固定費カバー率といいます。限界利益の中でどれくらい固定費をカバーできているかを算出するものです。この算式を用いて100%を超えているならば、限界利益、つまり付加価値により固定費をカバーしているという事が分かります。

100%を切ってる場合は、会社が生み出している付加価値では固定費がカバー出来ていないという事を意味します。だからと言って、ただちに固定費を圧縮するという判断は、経営者の皆様はされる事はないです。経費を支出することは、言葉をかえれば投資をする事です。

したがって、長期的に固定費カバー率が100%を切っている状態でしたら問題はないですが、将来の為の投資として固定費を支出している状態でしたら問題はないという事です。

2013年6月18日火曜日

モニタリング

モニタリングとは、りスケジューリングをしている企業は毎月、銀行に機首に前後に提出した経営計画書通りに企業の業績改善ができているか、銀行員が定期的にチェックすることをモニタリングといいます。

経営計画と実績の差が大きければ、銀行は企業に対し何でそのような事になったのか、その原因と改善を求められます。また、銀行側も経営計画を見込んでのリスケジューリングの為、その差が大きいと企業は当然困りますが、銀行も困るのです。

リスケジュールをしている企業は、モニタリングに必要な貸借対照表や損益計算書、資金繰り表など、最新のものを銀行に渡せるような状態にする必要があります。

したがって、モニタリングを受けている企業は何時の間にか、しっかりとした経理体制になる事が多くなると思われます。

外注又は給与か?

外注費にするか給与にするかで、法人税の利益は影響がないですが、消費税し仕入税額控除で影響が生じます。その判断となる消費税の通達が以下です。

(個人事業者と給与所得者の区分)

1-1-1 事業者とは自己の計算において独立して事業を行う者をいうから、個人が雇用契約又はこれに準ずる契約に基づき他の者に従属し、かつ、当該他の者の計算により行われる事業に役務を提供する場合は、事業に該当しないのであるから留意する。したがって、出来高払の給与を対価とする役務の提供は事業に該当せず、また、請負による報酬を対価とする役務の提供は事業に該当するが、支払を受けた役務の提供の対価が出来高払の給与であるか請負による報酬であるかの区分については、雇用契約又はこれに準ずる契約に基づく対価であるかどうかによるのであるから留意する。この場合において、その区分が明らかでないときは、例えば、次の事項を総合勘案して判定するものとする。

(1) その契約に係る役務の提供の内容が他人の代替を容れるかどうか。

(2) 役務の提供に当たり事業者の指揮監督を受けるかどうか。

(3) まだ引渡しを了しない完成品が不可抗力のため滅失した場合等においても、当該個人が権利として既に提供した役務に係る報酬の請求をなすことができるかどうか。

(4) 役務の提供に係る材料又は用具等を供与されているかどうか。 

上記(1)は、外注でも給与でもどちらでも該当するケースが多いのではと・・・・・

上記(2)は、外注の場合でも指揮監督をある程度受けるケースがあると考えられます。給与は完全に指揮監督を受けます。

上記(3)は、いわゆる危険負担の事をいいます。外注では、危険負担を負いますが、給与は負わないです。

上記(4)は外注でも供与されるケースもあります。給与は自分で材料等を用意する事はないです。

上記の(1)から(4)の中で重要な要素は、(3)です。危険負担です。

しかしながら、総合的に判断ですから定規のような判断はしないです。



2013年6月15日土曜日

インターネットマーケティング

インターネットマーケティングは、インターネット上での商品やサービスのマーケティングであります。インターネットは数々のユニークな利点をマーケティングにもたらしました。

その1つは、情報の配布コストを低減したことと一般大衆を直接相手にできるメディアであります。インターネットマーケティングの相互作用性は、素早い応答と相手の反応を引き出すのが特徴で、メディアとしては相当な利点であります。

インターネットマーケティングは狭義にはインターネットや電子メールなどを利用したマーケティングですが、広義にはデジタル化された顧客データ管理システムや電子的な顧客関係管理システムも含みます。一般的には狭義の定義で認識されている事が多いです。

インターネットマーケティングはまた、顧客獲得の為に検索エンジン最適化 (SEO)、特定サイトでのバナー広告、電子メールマーケティングなどを意味します。

イメージ広告(デザイナーが綺麗で芸術性が高いと考えるもの)ですと、それは、単なる自己満足の世界です。広告すればそれが集客につながらなければ意味がないのです。


このインターネットマーケティングが出来る人材が少ないです。また、HP製作会社でさえもインターネットマーケティングを理解してHPを作るかというとそうではないので、注意が必要です。

SEO対策として、例えばHPやブログなどに特定の言葉を多く使いすぎますと、グーグルの検索エンジンがスパムと判断して、検索の上位に検索されないので注意が必要です。

よく見受けられるのが、会社の名前を検索して検索出来たと喜んでいる人です。よく考えて頂きたいのは、消費者は、会社名を検索しないのです。例えば、旅館を探しているとしたら、特定の旅館名ではなく、例えば、「長野県 旅館」や「東京都 旅館」、「旅館 検索サイト」、「旅館 評判」などのキーワードで検索をしています。

法人格否認の法理について、論文をブログにあげても良いとの許可がおりました。

法人格否認の法理

Ⅰ 法人格否認の法理の定義
 法人格とその背景にいる人を形式的に独立した存在としてとらえると、背後の人が法人を盾に法的責任や義務を不当に逃れてしまう場合に、法人格を否認し、法人と背後にいる人を同一視することにより、背後にいる人の責任を問うことができるという理論のことをいう。
 債務など法的責任を逃れる目的で新会社を設立するなど、法人格が濫用される場合や、法人として運営されている実態がなく、形骸化している場合には、原告の訴えによりこの法理が適用される事がある。注1

Ⅱ 法人格否認の法理の根拠
 法人格否認の法理の実定法上の根拠としては、ドイツ学説がこれをドイツ民法226条の権利濫用禁止に求めているのと同様に、我が国でも民法1条3項の権利濫用の禁止規定類推適用に求めるのが正当である。なお、このことにより法人格否認の法理を法人格の濫用の場合に限定するのが正しいという結論に導かれる。注2

Ⅲ 租税正義を実現する為に法人格否認の法理を適用しなくても律する事が出来るか

判例法上の認められた法人格否認の法理は、実体法で規定されていないことを考えると、立法府である国会を無視した判例で、租税法律主義で厳格に適用されるべき税法において、判例法を持ち出すことは、私法である民法や商法等について類推適用するならともかく、厳格に適用すべき税法において、適用すべきものではないと考えられる。そこで、実質所得者課税の原則や同族会社の行為又は計算の否認、民法の一般条項である権利乱用や信義則、第二次納税義務により、法律のあるもので適用することで、法人格否認の法理を使う必要はないと考えられる。

  • 実質課税所得者課税の原則
法人税法11条 資産又は事業から生ずる収益の法律上帰属すると見られる者が単なる名義人であって、その収益を享受せず、その者以外の法人がその収益を享受する場合には、その収益は、これを享受する法人に帰属するものとして、この法律を適用する。注3

  • 同族会社の行為又は計算の否認
法人税法132条 税務署長は、一定の法人に係る法人税につき更正又は決定をする場合において、その法人の行為又は計算で、これを容認した場合には法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるものがあるときは、その行為又は計算にかかわらず、税務署長の認めるところにより、その法人に係る法人税の課税標準若しくは欠損金額又は法人税の額を計算することができる。注4

  • 民法の一般条項である権利乱用や信義則
民法第1条
1項 私権は、公共の福祉に適合しなければならない。
2項  権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。
  • 権利の濫用は、これを許さない。注5

  • 第二次納税義務
第二次納税義務の制度とは、納税者が租税を滞納した場合において、その者の財産に対して、第二次納税義務を負わせることにより、その不足額につき納付義務を生ぜしめ、その者に対しても滞納処分の執行を可能ならしめる制度であり、国税徴収法第3章にその規定がある。注6

Ⅳ まとめ
税法において法人格否認の法理で事業再生の場面と言えば、第二会社方式や会社分割であると考えられる。第二会社方式や会社分割は、事業再生の場面において、弁護士である法律家が、事業再生法人の利害関係者との折衝にあたり、利害関係者の合意が得られれば、事業再生において、第二会社方式や会社分割という事業再生のスキームを使っても良いが、利害関係者の合意が得られなければ、税務署等が国税等の徴収をはかるときには、判例法である法人格否認の法理ではなく、上記Ⅲの実体法にもとづいた徴収を行うべきであって、法律で規定されていない法人格否認の法理は使うべきではないと考えられる。



参考文献
  • 元榮太一郎(2012)『法律用語辞典』三修社
  • 井上 和彦(1995)『法人格否認の法理』千倉書房
  • 武田 昌輔 『DHCコンメンタール法人税法』第一法規 
  • (2013)『六法全書』有斐閣

注書き
注1 元榮太一郎(2012)『法律用語辞典』三修社 870頁
注2 井上 和彦(1995)『法人格否認の法理』千倉書房 94頁
注3 武田 昌輔 『DHCコンメンタール法人税法』第一法規 951頁
注4 武田 昌輔 『DHCコンメンタール法人税法』第一法規 5531頁

注5 (2013)『六法全書』有斐閣 3256頁
注6 井上 和彦(1995)『法人格否認の法理』千倉書房 139頁



社会通念

税法の通達で社会通念という文言がよく規定されています。

社会通念を辞書で調べますと「社会一般に通用している常識または見解。法の解釈や裁判調停などにおいて、一つの判断基準として用いられる。」と書かれています。

「社会一般に通用している常識又は見解」という文言が気になるところだと考えられます。私の考えですと「社会一般に通用している常識又は見解」というものは絶対的な尺度で測れないということ、要するに相対的に考えるということです。

この相対的に考えるということが、やっかいなのです。ここから先は、ネット上では公開するのは難しいです。


2013年6月13日木曜日

日当

国内の出張又は転勤のために、役員又は使用人に対して支給した出張旅費、宿泊費、日当については、支給した金額のうちその旅行について通常必要であると認められる部分の金額は、課税仕入れになります。
(注)

「その旅行について通常必要であると認められる部分の金額」の範囲については、所基通9-3《非課税とされる旅費の範囲》の例により判定します。

したがって、社会通念上通常と必要と認められる部分を超える場合には、課税仕入れには該当しません。この社会通念が難しいところで、税理士が悩むところです。私は答えが出ますが・・・・ネットで公開は出来ないところです。

2013年6月12日水曜日

恩借

恩借とは、「人の情けに頼って、金品を借りる」という意味です。、顔見知りや友人・親戚などに金を借りるという事です。

会社の事業がよくないと、よくあるこの「恩借」・・・・・・否定はしないですが、返せる見込みがないのにもかかわらず、「恩借」をやることだけは避けて下さい。でも、これは理想論かもしれません。

目の前に借入の返済の期日、支払手形の支払期日はきたりして、会社に資金がないときに、「恩借」をしてしまう事もあるでしょう・・・・

会社経営をしていて、社員の生活を守る為、借入の保証人になって頂いた人を守る為に、資金を集める事もあるでしょう。

でも、その資金繰りの苦しみに対して、顧問税理士は、ただ、見ているだけの先生が多いかもしれません。

法人の赤字経営が慢性化し、黒字企業が少ない中、資金繰りの苦しみで、会社の休みの時も寝れない経営者が多いでしょう・・・・・

それに対して私が出来ることはあるのか・・・・・・それは、共に考えるという事です。

2013年6月11日火曜日

法人税基本通達の制定について

国税庁のHPより法人税基本通達の前文の部分は以下です。

「この法人税基本通達の制定に当たっては、従来の法人税に関する通達について全面的に検討を行ない、これを整備統合する一方、その内容面においては、通達の個々の規定が適正な企業会計慣行を尊重しつつ個別的事情に即した弾力的な課税処理を行なうための基準となるよう配意した。
 すなわち、第一に、従来の法人税通達の規定のうち法令の解釈上必要性が少ないと認められる留意的規定を積極的に削除し、また、適正な企業会計慣行が成熟していると認められる事項については、企業経理にゆだねることとして規定化を差し控えることとした。
  第二に、規定の内容についても、個々の事案に妥当する弾力的運用を期するため、一義的な規定の仕方ができないようなケースについては、「~のような」、「たとえば」等の表現によって具体的な事項や事例を例示するにとどめ、また、「相当部分」、「おおむね…%」等の表現を用い機械的平板的な処理にならないよう配意した。
 したがって、この通達の具体的な運用に当たっては、法令の規定の趣旨、制度の背景のみならず条理、社会通念をも勘案しつつ、個々の具体的事案に妥当する処理を図るように努められたしい。いやしくも、通達の規定中の部分的字句について形式的解釈に固執し、全体の趣旨から逸脱した運用を行ったり、通達中に例示がないとか通達に規定されていないとかの理由だけで法令の規定の趣旨や社会通念等に即しない解釈におちいったりすることのないように留意されたい。」

上記の太字の部分をお話ししたいと思います。通達を制定するにあたり、学識経験者や実務家などの意見を聞きながら、制定している旨は国税のOBであって税理士の先生から伺った事があります。したがって、通達で、社会通念上おかしいと考えられる旨は滅多にないと話されていました。

ある税理士の先生は上記太字の部分を強調して、通達に拘束されないと話されていた先生もいました。

私は、通達をどのように考えているかといいますと、課税サイドが、通達で税法を解釈している事を考えると、通達は学問的には法律ではないけれども、通達は法律の一部だと考えています。しかし、上記、太字で書かれている部分について、通達に例示がなかったり、通達に書かれていない事があるときは、税法全体の趣旨を踏まえたうえで、税理士自身の責任で、税法の諸原理を踏まえながら、解釈する事が必要なのかなと考えています。


2013年6月9日日曜日

中小企業者等の少額減価償却資産損金算入の特例と固定資産税の関係

中小企業者等が、取得価額が30万円未満である減価償却資産を平成15年4月1日から平成26年3月31日までの間に取得などして事業の用に供した場合には、一定の要件のもとに、その取得価額に相当する金額を損金の額に算入することができます。

この場合に、法人税の世界では経費で落とせたとしても固定資産税の世界では、固定資産税台帳にのせる必要があります。

取得価格が20万円以上で30万円未満でしたら、固定資産税台帳にのせる必要があるので何ら有利選択はないのですが、取得価格が20万円未満の場合は、有利選択の場面が生じます。題名の少額減価償却資産の特例を使うと、利益を圧縮させ法人税を抑えることは出来ますが、逆に固定資産税台帳にのせないといけないので、毎年、固定資産税がかかります。

その固定資産税のランニングコストを避けるには、取得価格が20万円未満の償却資産を一括償却資産とすることで固定資産税台帳にのせないことが出来ます。

したがって、固定資産税の負担を考えて、少額減価償却資産の特例を適用する必要があります。

2013年6月8日土曜日

消費税は課税なのか?通勤手当について

消費税の基本通達11-2-2が通勤手当の通達です。通達は、国税庁が税法の解釈の拠り所としているもので、税務署の職員を拘束しますが、税理士は、この通達に拘束はされないです。しかしながら、課税庁がこの通達で動いている以上、この通達に反する判断を税理士がした場合には、当然、税務署調査の際には、調査官は、以下のような通達や判決を持ち出してきます。

(通勤手当)

11-2-2 事業者が使用人等で通勤者である者に支給する通勤手当(定期券等の支給など現物による支給を含む。)のうち、当該通勤者がその通勤に必要な交通機関の利用又は交通用具の使用のために支出する費用に充てるものとした場合に、その通勤に通常必要であると認められる部分の金額は、課税仕入れに係る支払対価に該当するものとして取り扱う。

ところで、話をもとに戻しますが、上記通達を読むと、通勤手当で電車やバスなどの交通機関は課税仕入れになり、交通用具の使用についても課税仕入れとなります。これは、自動車や自転車、バイクが考えられます。

では、徒歩の場合についてですが、上記通達の「その通勤に必要な交通機関の利用又は交通用具の使用のために支出する費用」に該当しない為、課税仕入れとはならないのです。

2013年6月7日金曜日

過少資本税制

海外との関連企業間において、資本金とすべきところを、借入金とすることで、支払利息を計上して経費として扱い、資本金にすると配当金として経費にならない為に、あえて、資本を過少にして借入金を過大にして、租税回避を行う事を規制するのが過少資本税制です。

詳しいことを財務省のHPより、http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/international/180.htm

2013年6月5日水曜日

マイナスのリスクに対して保険に頼らない

保険屋さんは、保険に入れさせたくて、マイナスのリスクを強調して、保険の加入をすすめています。でも、リスクはコントロールが可能なものと可能ではないものがあります。例えば、天変地異はコントロールが不可能です。

これに対して、会社経営をしていると、借金がどうしてもあるので、経営者に万が一の事があった場合にはというリスクを強調して、経営者に対して死亡保険を入れさせる保険会社もあります。

これに対して全否定はしないですが、後者のリスクはコントロールが可能なものです。例えば、後継者を育成すれば、リスクを回避出来、リスクのコントロールが出来ます。

借金を苦にして死亡保険を得るために自殺を選択する経営者も少なからずいるはずです。ですから、会社が苦しんでいるならば、逆に、自殺を予防するためにも、保険を解約すべきです。

経営者が自殺をしてその保険金で、借金がなくなったとしても、経営者の家族は誰も喜びません。

会計事務所が保険の代理店をやってるケースがあると考えられます。経営が苦しいときは、必ず保険を解約させないといけないです。

2013年6月2日日曜日

電子申告特別控除の廃止

平成24年分所得税で、電子申告特別控除は廃止されました。電子申告と住基カードの推進をするための政策的な制度でした。

2013年6月1日土曜日

雇用促進税制


事業年度中に雇用者(雇用保険一般被保険者)数を5人以上(中小企業は2人以上)かつ10%以上増加させるなど一定の要件を満たした法人に対する税制優遇制度が拡充されました。

雇用者の増加1人当たりの税額控除額が20万円から40万円になりました。(平成25年4月1日以降に事業年度が始まる法人)

適用を受けるためには、「雇用促進計画」を、ハローワークに事業年度開始後に提出します。事業年度終了後にハローワークで確認を受けます。

上昇傾向の法人にとっては良い税制でしょう。ただ、会社都合による離職者がいないことが条件ですので、経営者が、気に入らない従業員を解雇するという考え方の会社では適用がないということです。これは、厚生労働省の助成金関係でも同様です。

2013年5月30日木曜日

タインズ

タインズhttp://www.zeirishi.gr.jp/index.html という判決や税法などを検索できるデーターベースに入会し、先週に公益財団法人 租税資料館で論文を書きました法人格否認の法理について、検索していました。論文は、公益財団法人 日本税務研究センターの通信ゼミという論文形式の研修で、税理士の研修単位として認めてくれます。

その検索で、気が付いたことは、判決で法人格否認の法理を税法の場面で使用することが、平成18年10月31日の松山地裁を最後に、判決として、使われなくなっているということです。これは、おそらく、私の論文でも指摘した事ですが、法人格否認の法理は、判例法で、法令で明文化されておらず、税法の基本原則である租税法律主義に反する恐れがあるため、法人格否認の法理が使用されなくなったと考えられます。

私が書いた論文はこのブログにのせられないので、ここまでに致します。

2013年5月29日水曜日

消費税の改正と経過措置

消費税の改正と経過措置については、とても、ブログでかける内容ではなく、経理担当者であれば、消費税の改正についての本を一冊読む事をお勧めします。リース契約、賃貸借契約、工事の請負などなど、盛りだくさんの経過措置です。

税務署や税理士事務所でもおそらく、答えに窮する場面も出てくる可能性が高いです。消費税の経過措置を説明するだけでも2時間以上はかかります。

2013年5月28日火曜日

税務調査手続の明確化

  • 税務調査手続について、以下のとおり、現行の運用上の取扱いが法令上明確化されました。
    • まる1 税務調査に先立ち、課税庁が原則として事前通知を行うこととされました。ただし、課税の公平確保の観点から、一定の場合には事前通知を行わないこととされました。(これは、結局、今までと同じです)
    • まる2 課税庁の説明責任を強化する観点から、調査終了時の手続が整備されました。(これも、税務署の職員は運営上やっておりました。今までと同じ)
    • まる3 納税者から提出された物件の預かりの手続のほか、課税庁が帳簿書類その他の物件の「提示」「提出」を求めることができることが法令上明確化されました。(これも、法令上明確化はされていませんでしたが、ただそれだけのことで、今までと同じです)
  • 結局、運営でやっていたものが法令化されただけです。他の国税通則法の改正は、過去に投稿しています。

2013年5月26日日曜日

過年度遡及会計基準


過年度遡及会計基準においては、過去の誤謬の訂正に関して、いわゆる遡及処理をすべきことが要請されています。

過年度遡及会計基準の導入に伴い、陳腐化償却を廃止するものとされ、これは、「法人税法施行令の一部を改正する政令( 平成2 3 年6 月2 3 日政令1 9 6 号) 」によって、廃止されました。

過年度遡及会計基準は国際会計基準の流れで、このような改正が行われているという事です。


2013年5月25日土曜日

中小企業投資促進税制

中小企業投資促進税制は、中小企業者などが平成10年6月1日から平成26年3月31日までの期間内に新品の機械及び装置などを取得し又は製作して国内にある製造業、建設業などの指定事業の用に供した場合に、その指定事業の用に供した日を含む事業年度において、特別償却又は税額控除を認めるものです(国税庁のHPより)

ここで注意しなければいけないのは医者などの医療関係の機械装置等は適用がないという事です。詳しくは、「中小企業者等が取得をした医療機器の中小企業投資促進税制(租税特別措置法第42条の6)の適用について」http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/hojin/27/06.htm です。これは、個人的には医療機器が適用除外になるのはおかしいと考えていますが、国税庁でこのように出している以上、必ず税務署で止まります。裁判しないと結論が出ない問題でしょう。


2013年5月24日金曜日

相続税の基礎控除の改正


相続税の基礎控除が改正され、平成27年1月1日以後の相続から適用になります。以下になります。
 
現行:5000万円+1000万円×法定相続人の数

改正後:3000万円+600万円×法定相続人の数

地価の高い東京の都心部が狙い撃ちになるような改正ですが、一方で小規模宅地の課税の特例の改正もありますので、バランスを取っている改正だと考えられます。

ただ、少々、やりすぎかなという印象です。相続税に強い税理士にとっては、嬉しい改正でしょう。