2026年10月19日月曜日

AIについて

AIの活用と税理士の役割

日本税理士会連合会から「税理士事務所のためのAI・クラウド活用ガイドライン」が示されました。令和8年9月25日公開の実務指針編には、「AIを安全に、積極的に使いこなすために」という副題が付いています。

私もAIを使っていますが、文章を整理したり、自分の考えについて別の見方を聞いたりする時には便利だと感じています。一人で考えていると同じところを回ってしまうこともありますが、AIとのやり取りで考えがまとまることがあります。

今回のガイドラインは、AIを一律に避けるのではなく、リスクを理解し、必要な対策を講じて活用する考え方を示しています。ただし、便利だからと何でも入力してよいわけではありません。

大切なのは、入力する情報を区別することです。一般的な案内文の下書きや、公開されている情報の整理と、お客様の財務・契約・税務情報、個人情報を扱う場合では、必要な対応が異なります。

機密情報や個人情報を扱う場合には、組織管理機能などを備えたビジネス向け有料プランの選定、データ処理契約の締結、学習利用をしない設定の確認、所内ルールの整備や職員教育などが求められています。単に有料版を使えばよい、という話ではありません。

また、AIが出した答えをどう扱うかも重要です。もっともらしい説明であっても、根拠が違っていたり、存在しない資料を挙げたりすることがあります。税務に関する回答は、条文や通達などの一次情報に戻って確かめる必要があります。

ガイドラインでは「税理士 in the loop」という考え方も示されています。税理士業務については、人が確認すれば足りるのではなく、税理士自身が確認することが大切だということです。AIに任せたからといって、専門家としての責任がなくなるわけではありません。

私が日々の仕事で感じるのは、お客様の相談には、数字だけでは答えが出ないことも多いということです。経営者の考え方、資金繰り、従業員や家族の事情などを聞きながら、その方が実行できる方法を一緒に考えます。

AIで作業時間を短くできれば、その分、お客様のお話を聞き、経営の先を考える時間に充てられます。効率化が、お客様への対応をより丁寧にすることにつながればよいと思います。

新しい技術を学びながら、情報を守り、根拠を確かめ、自分で判断する。便利な道具を使う時代だからこそ、税理士としての基本を大切にしていきたいと思います。

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